最近、朋友圈でまたある情報が拡散されています——「Wiseが中国本土ユーザー向けに香港口座の申請を開放した！」まるで指を動かすだけで香港のカードが手に入るかのような騒ぎです。ですが、そんなに簡単な話ではありません。ここでしっかり整理しましょう。

**情報がどうして曲解されたのか？**

事の発端はとてもシンプルです。2025年3月、Wiseは香港で中小企業向けに多通貨ビジネスアカウントサービスを開始し、異なる通貨の入出金管理や現地の受取情報も提供しました。もともとは単なる業務アップデートに過ぎませんでしたが、伝わるうちに内容が変わっていきました。

最初は「Wiseが香港の現地受取情報を提供」→その後「Wiseが香港口座を開設」→最終的には「中国本土ユーザーがオンラインで香港銀行口座を開設できる」となってしまいました。

なぜこうなったのでしょうか？主な理由は、Wiseが実際に香港ドルの受取コードなどを提供していること、さらに口座開設の体験がスムーズなため、多くの人が「これって銀行じゃないの？」と思い込んでしまったからです。しかし、実際には大きく異なります。

**決済ツール≠銀行、混同しないで**

表面的にはどちらも香港ドルの取引ができますが、Wiseアカウントと本物の香港銀行口座はまったくの別物です。核心的な違いはどこにあるのでしょうか？

まずは監督機関の違い——Wiseは本質的に決済機関であり、英国FCAなどの監督を受けていますが、銀行ではありません。香港のライセンスバンクこそが本物の金融機関であり、香港金融管理局の直接監督下にあります。これは何を意味するかというと、Wise内の資金は銀行預金とは全く異なる保護メカニズムで管理されている、ということです。

次に機能の範囲——Wiseは主に国際送金や多通貨両替が強みで、確かに便利です。しかし、クレジットカードの発行、ローン申請、投資信託商品など、銀行の中核業務は一切できません。Wiseは「国際ウォレット」に近い存在で、万能な金融サービスプラットフォームとは言えません。

最後に適法な用途——これが最も見落とされがちな点です。もしあなたが口座証明を移民資料や税務申告、または正式な資金証明として使いたい場合、Wiseアカウントは認められない可能性が高いです。多くの場所で「銀行口座」が明確に求められており、決済ツールのアカウントは該当しません。

**結論として**

Wiseが今回リリースしたサービスは、確かに越境ビジネスを行う中小企業には役立ち、多通貨管理や為替損失の削減にも実用的です。しかし、これはあくまで効率的な決済ツールであり、「裏技で香港カードを入手する近道」では決してありません。本当に香港銀行口座のサービスが必要なら、やはり正規ルートで手続きを進めるしかありません。

釣りタイトルに惑わされず、ツールはツールとして正しく認識し、自分のニーズを見極めて利用するのが賢明です。