いくつかの数字を見ると、どうしても首をかしげてしまう。一社の年間売上が、別の巨大企業の端数程度しかないのに、評価額はその企業の半分にまで迫る——普通のビジネスロジックで考えれば、どうしても納得できない話だ。しかし今、イーロン・マスクが率いるあのロケット会社は、このありえないことを成し遂げている。

最近、市場ではその宇宙ビジネスの会社が、およそ8,000億ドルという価格で、未公開株をセカンダリーマーケットで投資家に売却しているというニュースが流れている。この数字が何を意味するか？すでにあの電気自動車メーカーの時価総額の半分に達しており、さらにはあのAI関連のスター企業さえも追い抜き、全米未上場企業の評価額トップに立つ可能性がある。だが問題は、宇宙企業の今年の予想売上はわずか155億ドル程度であるのに対し、電気自動車のほうは952億ドルが見込まれていることだ——売上は6倍も差があるのに、評価額は半分を要求する、この計算はどう考えても「マスクプレミアム」の香りがプンプンする。

今回の株式取引は、同社CFOのブレット・ジョンソン自らが投資家に説明しており、年2回行われる社内株式買戻しによるキャッシュアウトの一環で、初期から働いてきた株主や従業員が一部利益を早期に実現できるようにするものだ。しかし、今回の価格設定は本当に目を引く。前回のセカンダリーマーケット取引での評価額はまだ4,000億ドル近辺だったのに、わずかな期間で一気に倍増した。さらに遡れば、2020年3月時点では評価額がわずか360億ドルであり、5年足らずで20倍以上に膨らんだことになる。まだ正式に上場しておらず、売上規模も伝統的プレイヤーには及ばない企業としては、この資本ストーリーは確かに突飛すぎる。