金曜日の朝、目覚めて相場をチェックすると、心臓がドキッとした——主要な仮想通貨が一斉に下落、さらにアジア株式市場も同時に急落していた。こういった全面安の光景は、8年のトレード経験の中で何度も見てきたが、その度に背後の仕掛け人は巧妙に隠れている。今日は抽象的な話は抜きにして、今回のこのボラティリティの根本的なロジックを率直に明かそう。

暗号資産市場は決して独立王国ではない。FRB（米連邦準備制度）がほんの少しでも態度を変えれば、世界中の資金の流れは即座に方向転換する。最近発表された民間雇用データの後、市場のセンチメントは元々ピリピリしていた。その上、FRBの数名の高官が連続して「説教」を始めた——クリーブランド連銀のメスター総裁は「インフレの脅威は雇用問題よりもはるかに深刻だ」と明言し、シカゴ連銀のグールズビー総裁は「政府閉鎖によるデータ欠如」を言い訳に使い、利下げの道は全く考えていないことを示唆した。

この一連の動きのロジックは実は非常に明確だ。雇用データが悪化し、株式市場と暗号資産も連れ安、FRBはしかしインフレだけに固執して一切妥協しない。その裏には2つの計算が隠れている——第一は自己防衛。もしインフレが再燃すれば、数十年かけて築き上げた政策の信頼性が一瞬で崩壊する。市場が短期的にどれだけ下落しようと、今は考慮の範囲外だ。第二は市場を冷やすため。ここ半年以上、利下げ期待が過熱し、米国債利回りが急落、株式と暗号資産は順番にお祭り騒ぎだった。FRBから見れば、これは「許可なきフライングのお祝い」だ。今こそ冷や水を浴びせて全員を現実に引き戻す必要がある。「利下げ？そんなものはない。」

だから今回の下落は、表面上はデータ悪化によるパニックに見えるが、実際のところはFRBが市場の期待値を再調整しているのだ。初心者は短期的な値動きで怖気づきやすいが、ベテランは皆知っている——本当に相場の行方を決めるのは、あの会議室に座っている人々の考え次第なのだ。